人間国宝—日本の重要無形文化財保持者と日本クオリティのアニメ

日本の伝統芸能の熟練者に贈られる日本で最も権威ある称号である、「人間国宝」が先日7月19日に発表されましたね。

人間国宝は、その主に伝統芸能の熟練者に贈られる称号であることから、技術や技能がベテラン、国宝級の域に達している、つまり年配者に贈られる事が多いです。文部科学大臣が指定した重要無形文化財の保持者として認定された人たちです。

人間国宝は日本古来の伝統を受け継いで、その技術や技能を磨き、後世に伝えていく。そんな役割を担った大変重要な役割があります。

人形浄瑠璃の文楽太夫や、歌舞伎脇役、歌舞伎音楽竹本、長唄三味線、長唄鳴物、琉球古典音楽、講談の分野でこの度、認定者がでました。

文化財保存のための選定保存技術の保持者にも贈られたようです。美術工芸品の熟練職人さんも重要無形文化財の指定を受けることがあります。

こと、最近は後継者が少なくなってきて、将来的にその存続が危ぶまれている分野もあります。

若い人が、それぞれの古来の伝統文化の素晴らしさに気づき、それを継承する気概をもつ人が多数現れることを願ってやみません。

しかし、ことアニメーションなどの世界においては、若い人こそその才能や情熱によって、名人の域に達している人やその道のプロとして現場の最前線にいる事が多く、ある意味アニメの世界の人間国宝のようなかたも数多くいらっしゃいます。

そんな日本の文化の将来を担う方達が、今回の京都アニメーションの火災で亡くなられたことが残念でなりません。奇しくも7月18日に起きました。

何よりも今回の火災でお亡くなりになった方々に心より哀悼の意を表したいと思います。

もちろん京アニの社員さんであること以上に皆さん一個人として家庭があり、また将来の夢ややりたいことなどもたくさんあったでしょう。

それをあんな形で全てを奪われるなんて。

この世の中は本当に理不尽ですよね。一寸先は闇。

技術というのは、一朝一夕で身につくものではなく、アニメーターの方達も日々仕事の中で研鑽を続け日々技を磨いているわけです。

特に志高く、京アニクオリティをまで呼ばれていたそのクリエーター達の才能と能力は、他の人や物で取り替えがきくものではなく、何よりもいのちほど尊いものはありません。

それが一瞬で奪われてしまったことに、世界中の方が心を痛めています。

こんなことが二度と起こらないようにするにはどうしたらいいのでしょうか。

注目度の高い業界なだけに、影の部分がより色濃くフューチャーされた事件でした。

将来の人間国宝と同等に扱われる存在になり得る人材の損失。そしてご家族の悲しみを想うと、心が痛くてなりません。夏の初めに哀しい出来事です。

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