日本のお盆休みと墓じまいについて

日本で大型連休といえば4月末から5月始めのゴールデンウィークが有名ですが、あと2つ、ほぼ公的に休みが取れる期間があります。

それがお盆休みと年末年始の休みです。土曜日と日曜日を絡めて、1週間ほど休みが取れる人も多いでしょう。

お盆休みには、実家に帰るということで、都心から地方への交通機関が混み合うことで有名です。それぞれの地方によって多少お盆の時期は異なりますが、一般的には8月の半ば、13日から16日あたりに設定されていることが多いようです。

この時期は、それぞれのご家庭の先祖が家に帰ってくるということから、先祖の魂をお墓に迎えにいき、お盆を一緒に過ごし、そしてお盆が過ぎたら、お墓に見送りに行くということで、先祖のお墓参りに行くのがしきたりとなっています。

しかし、最近は地方では過疎が目立ち、実家を継ぐ後継ぎがいなかったり、少子化の影響で、代々の墓の継ぎ手がいなかったりして、墓じまいを考える人も増えていっています。

実家の墓参りや手入れをする時間もなく、お墓参りの代理を頼む人も増えるこのご時世、なかなか墓参りにいけない距離に住む人は、実家のお墓を仕舞うことも考える時代になってきています。

日本人の死生観も時代の変化によって変わってきています。自分の墓はいらないと考える人、永代供養といって、寺院や霊園の管理で供養をお願いする人、集団のお墓に入る人、それに併せてインターネット墓参りができるお寺なども出てきています。

墓じまいの問題は、世代間でだいぶ温度差があるようで、年配の方になればなるほど、墓じまいや墓の移動、家を継ぐ後継者がいないことに抵抗感をもつ人が多くなります。また地方の方がより伝統や宗教の宗派、しきたりなどにこだわりがちです。

しかし、すでに実家を離れている人々にとっては、せっかくお墓参りに行こうとしても距離的にハードルが高く、なかなかお墓参りにいけないことが悩みの種。

実家の親が亡くなったら、実家の墓をもっと自分の家の近くのアクセスの良い場所に移動する、もしくは墓を持たずに、自分たちや子供達の将来を考えて墓じまいをするという選択肢も出てきます。

新しいお墓を購入するにしても、また、お墓を購入しないで永代供養をお願いする場合でも、必要な手続きがあります。親族で良く相談し、皆の同意を確認します。

まずは今までお墓を守って下すっていた寺院に相談しましょう。その後、遺骨の行き先を決めます。決まったら、墓じまいをする市区町村の役所から「改葬許可証」をもらいます。

また今までお世話になった寺院から「埋葬証明書」、これから遺骨を預かっていただく寺院から「受入証明書」を発行していただきます。寺院へのお布施や離檀料なども用意しておいたほうがいい場合もあります。

一連の手続きが済んだら、石材店にお願いして、お墓の取り壊しです。綺麗な更地にしてもらえます。

これらの一連のプロセスは、だいたい10から30万円くらいが相場ですが、受入先や、新たにお墓を購入する場合ならもっとかかってきます。また故人や実家の宗教などによっても受け入れ先が制限されることがありますので、事前にしっかり調査して受け入れ先やお弔いの方法を考えておくことも大事なことだと考えます

先祖の生きていた時代は、より宗教と日常生活が近い関係にあり、四季の行事や日々の暮らしが宗教の行事によって決められていたこともあり、墓じまいや離檀などを嫌がる年輩者も多いでしょう。

それを上手に説得して次の世代もきちんとお墓参りや管理ができるようにしておく、それが現役世代の大事な役割なのかもしれませんね。

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